2019年4月25日木曜日
米粒写経例大祭「口伝」の追加公演が、池袋演芸場でありました。
昨年逝去された日本最高齢の脚本家橋本忍の映画「砂の器」。これを米粒写経の居島一平さんが「俺が正しい」の主観も交えて完全再現。そこにサンキュータツオさんの冷静なツッコミが入る。
このネタ、自分は昨年の深川江戸資料館での米粒写経例大祭の初日でも見ました(ツタヤで砂の器DVDをレンタル予習して(笑))。つまり、見るのは二度目だったのですが、密度の濃い芸は何度見ても面白いものでした。何度でも、何度でも、くりかえし、くりかえし...見たいネタですね(笑)。
この日のゲストは橘家文蔵師匠。文蔵師匠と言えば、顔が怖いので有名で、米粒写経も「日本で一番顔が怖い三代目」といじっておりましたが、落語は本当に面白い。そして文蔵師匠といえば、Twitterのフォロワーさんで今年の1月に亡くなられた(らしい)高橋さんが文蔵師匠の大ファンでした。合掌。
落語は「千早ふる」でした。実は文蔵師匠の「千早ふる」も、自分は2018年2月の渋谷らくご以来の二度目でした。
「千早ふる」は百人一首の在原業平の歌
「ちはやふる かみよ(神代)もきかず たつたがわ(竜田川) からくれなゐに みず(水)くぐるとは」
(現代語訳:こんなことは昔の神様の時代でさえも聞いたことがない出来事だ。一面に紅葉が浮かんで、竜田川を真っ赤な紅色にくくり染めにしているとは!)
この歌の意味を弟分から聞かれて、兄貴分が無理やり解釈をひねり出す、という落語です。
通常の千早ふるのサゲ(オチ)は、歌の最後の「とは」の意味を聞かれた兄貴分が苦し紛れに「千早は源氏名で、本名が「とは」だった」と答えるものです。
これが文蔵師匠の千早ふるだと、『「とは」とは...あとの○○に聞いてくれい』と後から登場する演者さんにぶん投げるスタイル。寄席で文蔵師匠が「千早ふる」をかけると、楽屋で後の演者さんはぞっとするそうです(笑)。1年前の渋谷らくごでは緑太さんに、そして今回は米粒写経にぶん投げ(笑)
会場の池袋演芸場、自分は初めて伺ったのですが、こぢんまりとしていて見やすくてとても良い会場でした。
公演後は、池袋演芸場と同じビルの4階にある「甘太郎池袋西口店」で有志フォロワーさんとオフ会を開催しました。いつもの東京ポッド許可局ファンのオフ会よりも、さらにマニアック?(失礼)とっても楽しかったです。
(楽しすぎてとあるフォロワーさんの肩をバシバシ叩いていたらしく...ごめんなさい)
そしてその翌日
2019年4月26日金曜日
2日連続で演芸
新元号への改元のための10連休の前日
平成最後のプレミアムフライデー
座席最前列
とドラが乗りまくった状態で
渋谷伝承ホール
「ソーゾーシー meets 渋谷に福来る」に行ってきました。
瀧川鯉八 愛しのワトソン
玉川太福 高齢出産のお話
立川吉笑 たちかわ
春風亭昇々 指定校推薦
新作ネタおろしの会
ソーゾーシー
もともとこの四人は個人的に最適解ユニットだと思っていたのですが、この日は全員が面白かった〜♫
いろいろな種類の「面白さ」が爆発している興行でした。
にゃんぞぬデシさんの「ソーゾーシーのテーマ」で開幕♫
オープニングトークでは、一番手で登場の鯉八さんが「浮き足立ってる」といじられてましたが、会場全体で真打になる鯉八さんを祝福。「おめでとう」ではなく「ありがとう」を要求する鯉八さん。
2020年5月に真打になることが決まった鯉八さん、まくらの「私の真打の芸を堪能してから、後に続く二つ目の未熟な芸を楽しんでください」にも笑いました。女子の「あざとさ」がテーマ(笑)のホームズとワトソンの落語。海外ドラマ名探偵モンクの解説で雑誌に載ったり、先日の渋谷らくごでも「ノック」という探偵ネタやったりと、鯉八さんミステリお好きなんですねえ。
太福さんの高齢出産をテーマにした浪曲は、自分達夫婦が男女ともに不妊症カップルで何かと大変だったこともよみがえってきて、泣き笑いでした。感動したので、仲入り物販で太福さんの浪曲CDの2枚目を買っちゃいました。あとで考えたら、まだ持ってないDVD買えばよかったのだけれど、感動したことを伝えられて太福さんに握手してもらえたので問題なし!
仲入り後の吉笑さんの落語も凄かった。オープニングトークから吉笑さんがなんか陰気で、不穏な感じはあったんですよ。まさかあれが伏線だったとは。めくりも変だなとは思ったのだけれど、ヌイグルミには全く気付いてなかった自分のポンコツさの頼もしさよ。気持ちよく騙されたぁ。吉笑さんはタツオさんに「策に溺れる策士」と言われたことがあるらしいのですが(愛すべきという褒め言葉なんでしょうけれど)、策士の面目躍如!といったネタでしたね。立川談志の「イリュージョン」の吉笑さん流の継承を見た想いでした。
トリは昇々さん。堺雅人に憧れて早稲田大学に指定校推薦で入学しようとする狂った高校生のお話。昇々さんの新作落語は狂ってるんですけど緻密でなおかつ不思議な爆発力があって、笑いがとにかく爽快で気持ちがいいんですよね。
ソーゾーシー次回は9月24日。今年は全国ツアーも開催で益々盛り上がるんだろうなあ。
以上、2019年4月の25・26日がアツかった件、でした。
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