2018年6月17日日曜日

「万引き家族」を観た

ポコっと休みが取れた平日、夕方に用事があり、それまでフリーで何をしようかと考え、プチ鹿島さんがラジオ キックスで「コロッケ論」も絡めて語っていた話題の映画「万引き家族」を観に行くことにした。
みなとみらいのイオンシネマ。券売機でチケットを購入しようとしたら、よくわからないけれど何かしらの割引が効いて一般1,300円で購入できて幸先の良いスタート。
ビールとバター醤油味のポップコーンSサイズを購入。ちょっと早く着いたので入場まで時間があり、あとでネタ的につぶやこうと思い「オーバードライブ」のポスターを撮影。すると、先程の割引が「モーニング割引」であることがポスターの記載で判明した。
場内は、平日初回ということもあってかまばらな入り。老夫婦のお客さんが多かった。

さて映画の感想です。
家族に恵まれなかった人々が作り上げた疑似家族がとても愛おしいものに見えてきて、ラストに向けてその家族がバラバラになって行く様子がとても痛ましかった。
でも、安藤サクラの信代が面会シーンで悔いなしと語っていたり、リリーさんの治がカイリくんの祥太に自分を置いて逃げようとしたのかと聞かれて否定しなかったのは、本心ではなく(本当は、バス停での別れの後に思わずダッシュしたくらい祥太のことを愛していて、夜逃げした後もきっと祥太を迎えに行くつもりでいたのだと思う)、自分の事を忘れて新しい人生を歩いてほしいという苦渋の子離れシーンであったり、「ゆり」ちゃんも最後、実のお母さんに抵抗して、「外の世界」を見つめて終わったり、という、「これで良かったんだ」と思えるハッピーエンドだったと思う。
あと、宇多丸さんがムービーウォッチメンで言ってたけれど、治と松岡茉優の亜紀の二人が語り合うシーンも良かった。こんな会話、実の家族とは出来なかったんだろなと。それが、終盤の亜紀の、誰も居ないと分かっていても忘れられない「家族」と会いたくて思わずあの「家」を訪れたシーンへと繋がるんだろなと。

それと、脱線む~び~でちゃんまいさんも言ってたけれど、俳優陣の演技が全員良くてキャスティングが素晴らしかった。メインキャストは勿論だけど、ほんのちょっとの登場だけれども池松壮亮や高良健吾や池脇千鶴、そしてなんといっても緒形直人!真面目でいい人っぽいけれど自分の親だったら嫌だろなという絶妙な感じ。

心に残る、余韻が残る映画だった。

世間では(最近の自分の場合、"世間"は専らツイッター界隈のことなのですが)、「万引き」という映画のテーマ自体について如何なものかという言説もあるようですが、万引きが犯罪で悪いことだって、んなこたぁ分かってるよ、と思う。そして見もしないで文句言ったり、見てもピント外れな文句言ってる人よりも、単純に感動して「見て良かった」と思ってる自分の勝ちだと思ってる。勝ち負けじゃないけど。

最後に蛇足。
あと何年かして子供がもう少し大きくなったら、この万引き家族を見せて(一緒には、多分恥ずかしくて見れない)、「知ってる?安藤サクラって、鎌倉ものがたりの死神役やってた人なんやで」と言って、ビックリするところを見てみたい。