月刊太福マガジンとは、浪曲師玉川太福(だいふく)さんの会で、今年の1月から毎月開催されている1時間千円の会です。そしてこの12月が最終回でした。以前から行きたいとは思っていましたが、最終回にしてやっと参戦が叶いました。
自分の玉川太福さんとの出会いは、昨年12月の渋谷×文化ラジオで放送された「地べたの二人~おかずの初日~」でした。そして初めての生太福(なんだか美味しそう)は今年3月の渋谷らくご「陸奥間違い」。三味線も唸りもやっぱり生が良いな!と思いました。
太福さんの浪曲は、特に古典のときですが、なんてゆうか自分の頭の中にお花畑(明るいイメージの比喩です)が広がる感じ?がします。なにかと比較される、講談の神田松之丞さんのイメージが"陰"なのに対して"陽"な感じ。
そして、太福さんが時折発する「素直な感情吐露」も好きです。それが出るとズルいと思いつつ、つい笑ってしまいます。
あと、表情や所作の表現力が豊かなところも、太福さんの浪曲の魅力だと思ってます。
さて、話を戻して...
ツイッターで渋谷らくごキュレーター・サンキュータツオさんの「今宵何かが起こります」的なツイートを見て、期待を高めつつ渋谷に向かいました。開演1時間前の19時頃に会場のユーロライブに到着。するとすでに、当日券購入者の行列が2階から1階にかけてできていました。ゲットしたチケットは整理番号74番。
そのあと渋谷の街をフラフラして、整理番号の呼び出しが始まる19:30にユーロライブに戻り入場。遅い番号でしたが、呼び出しの時間にはいないお客さんも多かったので、前から3列目の右の方に陣取ることができました。
自分が着席したあとも続々とお客さんはやってきて、最終的には超大入り満員となりました。
19時45分頃からタツオさんの公開質問会。質問は1問だけだったので、ほとんど11月の太福マガジンのアンケートの紹介だったけれど色々な人がアンケート書いていて面白かったです。特にドリカム!
そして前座は立川かしめさんのご機嫌伺い漫談。かしめさんは先日、二つ目内定とのことですが、タツオさんによると立川流の「内定」は「失敗」らしいです。どういうことなんだろ。でも漫談は落ち着いた語りでとても面白く、「腕」がある方だとお見受けしました。
かしめさんの「身体の秘密」が3箇所語られましたが、どれも凄い秘密!凄い「腕」(リアル)も持ってた!
漫談の最後に「まだ人と違う身体の部位が5~6個あります」って仮面ライダーV3かよっ!って思わず心の中で突っ込みました。(V3は身体に26の秘密を持っているんですはい。)
そして、太福さんと曲師のみね子師匠登場!
ネタは「地べたの二人~月刊太福マガジン~」でした。先週の市ヶ谷でのCD発売イベント(囲み取材を一般客が客席から見守るという変わった趣向のイベント)でやっていた「地べたの二人~囲み取材~」の渋谷バージョン。
"今日のこの日の特別感"があって、このネタ好きです。
もともと特殊な構造のネタですが、この日はさらに、ネタの中でサプライズゲストの呼び込み。
1922年生まれ、御歳96歳の玉川祐子師匠の登場!太福さんとのコンビで噂の「浪曲コント」を披露してくれました。
祐子師匠、見た目はちっちゃくて可愛らしいお婆ちゃん然とした感じですが、むちゃくちゃシッカリしてました。
「忠治山形屋」の唸りも、"格好いい"唸りでした。
そして祐子師匠が太福さんを見るキラキラした瞳!
「幸せな伝説」の目撃者になりました。
さて、太福マガジンの後は、甘太郎道玄坂店にて、有志同好の士による大忘年会を開催しました。
月刊太福マガジンのアフターということで、渋谷らくご(タツオさん)関連のラジオ番組、東京ポッド許可局・シバハマラジオ・問わず語りの松之丞の底辺...いやいや、会費3千円を支払うことが出来る"上流階級リスナー"が集まりました。
自分の呼びかけに応じてくれる物好きな人達(失礼!)だけあって、皆さん味わい深く愛すべき人達!でした。
当たり前だけれども、人それぞれの演芸の見方があり、共感したり新鮮な意見に驚いたり、非公開だからこその忌憚ない意見もまた面白く、話題も尽きずでした。
そしてここでちょっと唐突ですが、東京ポッド許可局「忘れ得ぬ人々」の初採用メールを、忘年会では自慢し足りなかったのでここに掲載させていただきます。2017年4月3日の放送でした。
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小学生に上がるか上がらないかの頃に出会ったカップルの話です。
四国の愛媛に住んでいたため、家族旅行はカーフェリーで九州に行くことが多く、これもその時のことだったと思います。
席は二等客室で、客室と言っても区切りはない広い雑魚寝スペースでした。
夜であれば1人一畳分ほどの毛布を敷いて問答無用で寝るのですが、そのときは昼間で寝るわけでもなく、暇をもてあましていた私は同じ二等客室にいる20代前半くらいのカップルに目をとめました。何年か後に映画「幸福の黄色いハンカチ」の武田鉄矢と桃井かおりを見て、「あ、あの時の」と思い出したようなカップルでした。
2人はトランプをしていて、近づいてその様子を見ていた私に気付いた女性が、「ボクもトランプする?」と言って仲間に入れてくれました。
トランプをしてるうちにだんだん打ち解けていき、何かのゲームで私が勝って「やったー」と大声を上げたその時でした。
「うるさいっ!もうあっちへ行けっ!」
といきなり男性に言われました。
女性は「ごめんね」と言ってくれましたが、私はビックリして家族のところに逃げ戻りました。
その旅行でどこに行ったのか、何をしたのかなど全く覚えてないのですが、そのことだけは未だに忘れられないくらい、ショックな出来事でした。
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ここまで読んでくださった方、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
よいお年を!
(まだちと早い)